アメフトを生で初めて見た

米国人男性は、会話に困ったらスポーツの話題をするらしい。西海岸出身者に聞いた話です。

日本人でも、そんなときはあるものです。多くは野球、圧倒的に野球が多い印象ですが、サッカーもそれなりに応援人口がいます。私は子供のころ野球部だったし、いまもたまには球場へ足を運ぶので、野球はなんとなく付いていけるものの、サッカーは興味がまったくないので困ってしまう。まあ、高校は当時の強豪校だったので、選手権の応援に行ったことはあるんですけど、面白いと思ったことはほとんどない。

困ったら、自分の土俵で勝負する。しかも相手が知らなさそうな、もしかしたら興味を持ってくれそうな場所へ引きずり込む…いや、ご招待する。

それが自分にとってはアメフト、アメリカンフットボールである。

実はルールを熟知しているわけではないが、基本は知っているので、日本においてはファン人口も少ない状況は有利。…なんてことを書いたら、とってもとっても、実際に対面したときの印象に輪を掛けてイヤな奴だと思われるかもしれない。

 

つまらん前置きはおしまい。もうちょっと役立つ話

さて、長くなったが、ここからが本題。なにより楽しいものだと心底思っているから、自分をすごく見せようなんて姿勢にはならない。相手が自分より詳しそうなら、素直に聞き役に回れば、それもまた楽しいから問題ない。

だけれど、いつもテレビやネット配信だけだったんです。だから丘サーファーみたいというか、好きだと言っててもなんだか嘘くさい負い目みたいな感覚がずっとありました。

今年の年始は帰省しなかったから、なにかイベントへ行こうと考えていたら、1月3日のライスボウルが目にとまった。もう行くしかないよね。

 

観衆は多かった!

さあさあ、やってきました東京ドーム。

ライスボウルは前年の大学(甲子園ボウル)王者と社会人(Xボウル)王者が対戦する、今年で71回目を迎える一大イベント。日本一決定戦として位置づけられていて、今回は日本大学フェニックスvs富士通フロンティアーズ。日大は27年ぶり、富士通は2年連続で昨年勝利している。

基本的には社会人チームが圧倒的に強くて、それに大学生がどれだけ迫れるかという構図の大会です。今年はどうなるやら。

本場アメリカのプロNo.1(=世界一)を決めるスーパーボウルは定価で10万円前後〜。販売業者を通すと20万円〜が相場だというのですが、このライスボウルは前売りなら自由席が2,000円、指定席でも3,000!つまり、日本ではそういうポジションのスポーツです。

わりと空いてるんじゃないかなと楽観視していた(あるいはナメていた)ら、けっこうな行列で、並んでから着席するまで20分ぐらいかかりました。席もかなり埋まっていて、空席を見つけるのが大変でした。社会人側スタンドで観戦することにしましたが、招待券を持っている人が多く目に付きました。富士通はグループの従業員数が15万人以上。富士通や大会スポンサーが取引先などにも配布していると想像すると自然なことです。

15時試合開始で、数分前から入場セレモニーが始まります。富士通、日大と勢いよく駆けて登場。日大のほうが勢いよく見えたのは、チームの立場の違いでしょうか。明らかに線の細い控え選手まで長い入場でしたが、最後まで元気のよさを感じます。

このところ、長らくメインスポンサーはプルデンシャル生命。大会の冠にもなっていて、日本法人の社長がコイントスを行います。

結果は日大が勝ってレシーブを選択。アメフトはキックしたボールをレシーブし、そこから攻撃が進んでいくので、実質的にはレシーブ側が先行に。これがサッカーなんかと逆でややこしいかもしれません。チームカラーや戦術によりますが、コイントスで勝ったらレシーブを選択することが多いです。(ただし後半は逆の立場で始まるので機会は平等)

試合解説は基本的に他のサイトに譲るとして(面倒なだけ)、初の生観戦で感じたことをお伝えしようと思います。

 

社会人と学生で違う応援

左が富士通、右が日大。

富士通は客席スタンドに向けてスピーカーをならべ、合間の音楽はここから流れます。かけ声もマイクを使って同じように流れます。チアリーダーの動きも大人の雰囲気で、協調しながらも各人が躍動している感じ。社会人野球もスピーカーが多いですよね。あまりノリのいい観戦はしない立場からすると、もうちょっと静かにしてほしいと思います。

一方の日大ですが、音楽はブラスバンドの生音です。チアリーダーも団体行動!という感じで、整然としています。まさに学生のチアリーダー。これも遠くからではありますが、統率がとれていていいですね。

OBを含めて結束を感じる日大。ちょっと距離感のある富士通。これは富士通側の来場者の属性がばらけているためでしょうか。社会人チームはどこが出てきても、このような感じなんだろうな。自分にも責任の一端はあります。ただ川崎市民だという共通点しかなく、普段から応援しているわけでもなく、歓声をあげるようなことはありません。

意外と狭いフィールド

アメフトのルールの基本は、すごく大雑把にいうと、うまいこと10ヤード以上進むのを繰り返しながら、相手陣地の端までたどり着けば得点。4回失敗すると攻守交代になるので、そのまえに10ヤード進む。進めたら失敗はリセット。

これは野球に似ていて、うまいこと塁に出るのを繰り返して一周すれば得点。3ストライク取られるまでに、出られたらカウントはリセット。そして3アウト取られたら攻守交代。

で、この10ヤードがテレビで見ていたらすごく遠く見えていました。オフェンスとディフェンスが拮抗しているから、なかなか前に進めないのも理由でしょうが、とにかく遠く感じていたのです。そもそもメートル法で生きてきたので、ヤードの感覚がないですから。

ところが上から見たとはいえ、実際はすごく狭いんだなと感じたのです。

バックネット裏だいじょうぶ?

野球の場合はファールチップが高速で後ろに飛んでいくことが多く、キャッチャーの後ろ(バックスタンド)にはネットが張られています。

ところがこの日はネットが外されて見やすい状態に。

写真が悪いですが、左のほうに2本の白いポール(ゴールポスト)が立っています。ラグビーにもありますよね、音叉みたいなやつです。

アメフトでは、敵陣の奥に近づいたけど3回失敗している場合や、奥に到達して得点(タッチダウン)した後のボーナスチャンスで、このゴールにボールを蹴り込むプレイがあります。『フィールドゴール(FG)』といいます。つまり、このネットがない空間を狙ってボールが飛んでいくわけですよ。ケガしないのか?と心配しながら、2回ぐらい見てましたが、うまいことよけていましたね。野球に比べてゆっくり飛んでいくから問題ないのでしょうか。アメリカのNFLではネット張ってますけどね。

 

音響が悪い

審判がプレイ(特に反則時)の説明を場内にするのですが、どうも聞き取りづらいし、説明もわかりにくい。これに続いて場内アナウンスで解説がつきます。こっちはボリュームも大きく聞き取りやすい。テレビ慣れしていると審判の声がわりとクリアなのでね。

 

ルールがわからない素人もいる

「いやー、なんで時計が止まったり動いたりするのかな」なんて、基本的なルールがわかってない人の話し声も聞こえてきます。

時計は基本的には動きます。1Q15分間を4Qなので、試合時間は1時間です。ところがパス失敗時、サイドラインを越えた場合、ゴール後や反則時などには止まるので、ハーフタイムも入れると結局3〜4時間かかるスポーツです。

そして反則が多い。全力でぶつかり合う危険なスポーツなので、反則はルール上多く規定されていて、そのほとんどが安全を確保するためのものです。マスクに手がかかった、ユニフォームを引っ張った、背後からコンタクトした、このほか多数。アメフトが難しそうに見えるのは、この反則ルールがたくさんあるからだと言う人もいます。

一方で、隣には体格もよく、明らかに経験者と思われる人も。「ここはギャンブルじゃない?」と言ったらほんとにギャンブルになってましたね。

3回目の攻撃が失敗して、つぎも失敗したら相手に攻撃権が移ってしまうとき、セオリーとしては4回目は諦めて遠くに蹴飛ばし、相手がゴールから遠い場所からスタートするようにします。でも、勝負所だったり、あとわずかで10ヤードに到達する場面だったりすると、思い切って4回目も通常のプレイを行います。これを『ギャンブル』と呼びます。

 

試合結果

試合を振り返ると、各Qで1つ以上のロングパスを通して、着実に点を重ねた試合でしたね。

チーム 1Q 2Q 3Q 4Q 合計
日大 0 3 0 6 9
富士通 7 10 10 10 37

説明が遅くなりましたが、得点はフィールドゴールが3点、タッチダウンで6点。タッチダウン後のボーナスチャンス(ポイントアフタータッチダウンまたはエクストラポイントという)は、ゴールラインの手前2〜3ヤード(ルールによって違う)からフィールドゴールを決めれば1ポイント、蹴らずに通常のプレイと同じくゴールラインを越えれば2ポイント。※ほかに『セーフティー』という珍しいけど盛り上がる2ポイントのプレイがありますが、省略します。

日大はフィールドゴール1本(3点)、試合終了間近にロングパスからのタッチダウン1本(6点)、ポイントアフタータッチダウンは失敗で0点なので、合計9点。

富士通はロングパスからのタッチダウンで6点、ポイントアフタータッチダウンはキックで1点の基本コンボを毎Qで繰り広げます。2〜4Qでは3点のフィールドゴールを1本ずつ決めているので計10点。

(途中、ちょっとぼーっとしたので、プレイ内容が違ってたらすみません)

2Q後のハーフ、その後も時間が過ぎていくにしたがい、観客はどんどん減っていきます。この点差では仕方ないものの、なんか面白いプレーがあるのでは?と思って粘っている人も多かったです。なんとか最後に日大が1本タッチダウンを決めてくれたのが救いでしたね。

残り2分ほどでのタッチダウンで一矢報いた日大。富士通側のスタンドからも大きな歓声が。ポイントアフタータッチダウンでは、意地で2ポイントコンバージョン(キックではなくランを選択)を取りにいったものの失敗。

 

大会の存在に疑問を持つ

アメフトはクオーターバックの存在が非常に大きい。うまく説明できないので、野球に例えてしまいますが、エース投手。この人が上手いかどうかで試合が決まると言ってしまっていいわけです。

アメリカでプロになれなかったけど、バケモノ揃いの大学で実力があった選手が、日本でクオーターバックとして活躍しているのがXリーグ。ロングパスの強さと精度が圧倒的に違う。この試合では日大が最後に1本意地を見せましたが、基本的に長いパスは通らないし、キックも弱いし精度が低い。もちろん大学日本一であり、社会人と比べてですが。

また野球でしか話せないダメライターですが、甲子園優勝校がソフトバンクと試合をして勝ち目があるでしょうか。ソフトバンクは強すぎるとしても、12球団最下位チームであってもおそらく試合にならないでしょう。

もう、ここまで力の差があるのなら、公開処刑ではないか。ライスボウルを開催する意味などあるのだろうかと思っていたら、スポーツジャーナリストが解説してくれていました。

今年の冬は、Xリーグの頂点を決めるXボウル、もし関西へ行けそうなら甲子園ボウルを見に行こうと思ったのでした。

 

おにぎりはナシ

掲載した写真はすべてiPadProの12インチで撮影。このロケーションにおいては、iPadはProでも写真がいまいちだと思い知りました。

途中、何度か帰ろうかと思ったんですよ、実は。空腹のまま行って、混雑していたから食べ物を買いに行くのも大変で、もう辛くて帰っちゃおうかと。

正月だし、ライスボウルだけに、もしかしたら握り飯のひとつも振る舞われるのでは?という妄想まで始まる始末。でも知る限りでは誰も手にしていませんでしたね。

左は開始間もないスタンド、右は最終盤のスタンド。席を探すのが大変なほどだったのに・・・観衆は悲しいほど減っていきスカスカに。
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